こんにちは、久遠詩凛です。
創作をしていると、キャラクターの性格設定で悩んでしまうことはありませんか?
「なんとなく元気な子」「クールなタイプ」という感覚的な設定だけでは、物語の中で行動やセリフがブレやすくなります。そんなときに役立つのが、心理学で使われる**五因子モデル(Big Five)**です。
五因子モデルは、人間の性格を5つの主要な因子で分析する理論で、キャラクター設計に取り入れることで、行動や感情表現に一貫性と深みを持たせられます。今日は、その具体的な活用方法を一緒に見ていきましょう。
五因子モデル(Big Five)とは?
五因子モデルは、心理学の中でも非常に広く使われている性格分類理論です。
人間の性格を次の5つの因子で表します。
外向性(Extraversion)
社交的・積極的で人と関わることを好むか、それとも内向的で一人の時間を好むか。協調性(Agreeableness)
優しく思いやりがあるか、または自己主張が強く競争的か。誠実性(Conscientiousness)
責任感が強く計画的か、それとも衝動的で自由奔放か。神経症的傾向(Neuroticism)
感情が安定しているか、不安やストレスに敏感か。開放性(Openness)
新しい経験やアイデアに柔軟か、それとも変化を好まず保守的か。
キャラクター設計での使い方
1. 核となる性格を決める
キャラクターの印象を大きく左右するのは「核」となる因子です。
例えば、外向性が高く協調性が低いキャラは、ムードメーカーでありながら口が悪く、トラブルも起こすタイプになります。
2. 他の因子で個性を加える
残りの因子を組み合わせることで、より複雑な人物像になります。
外向性が高く誠実性も高いなら、社交的で責任感のあるリーダータイプに。
3. 行動と会話に反映させる
性格設定は、行動やセリフ、決断の場面に反映させてこそ活きます。
例えば誠実性が低いキャラは締切を守らない、神経症的傾向が高いキャラは危険を避ける、などです。
実例:五因子モデルで作るキャラ設定
キャラクターA:自由奔放な冒険家
外向性:高い
協調性:中程度
誠実性:低い
神経症的傾向:低い
開放性:高い
→ 明るく新しいことに挑戦するけれど、計画性はなく周囲を振り回す。
キャラクターB:冷静な策士
外向性:低い
協調性:低い
誠実性:高い
神経症的傾向:低い
開放性:中程度
→ 社交性は低いが計画力に優れ、裏方で活躍する戦略家。
五因子モデルを使うメリット
性格の一貫性が保てる
感覚的な設定よりも行動やセリフが自然になります。キャラ同士の関係性を作りやすい
協調性や外向性の差から、衝突や友情が生まれやすくなります。物語の厚みが増す
性格の違いによる葛藤や成長が描きやすくなります。
実践ステップ
キャラの基本情報を決める(名前・年齢・職業など)
五因子モデルの各項目に0〜10で数値を設定
その性格での行動・口癖・選択パターンを具体化
他のキャラとの相性を検討し、関係性に反映
まとめ
心理学の五因子モデルは、キャラクターをより魅力的にするための強力なツールです。
小説、漫画、ゲームなどジャンルを問わず使えるので、あなたの作品作りにもぜひ取り入れてみてください。
設定の一貫性が増し、読者が「このキャラらしい」と思えるシーンを作ることができます。
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