小説やシナリオを書いていると、ふと「この展開、前半と矛盾していないかしら？」「キャラクターの行動に必然性はあるの？」と不安になること、ありませんか。
こうしたプロットや構成の齟齬は、書き上げた後に気づくと修正の手間も精神的負担も大きくなります。
そこで、頼れる相棒になるのがAIによる構成チェックです。
生成AIは文章作成だけでなく、既存原稿の客観的な分析も得意とします。あらすじやシーン構成を渡し、「矛盾点を指摘して」と依頼すれば、短時間で盲点を洗い出してくれます。
この記事では、詩凛が日々実践しているプロット・構成ミス削減のためのチェックリストと、すぐ試せるプロンプト例をご紹介します。
なぜプロット・構成のミスは生まれるのか
多くの場合、その原因は情報整理の不足や視点の固定化にあります。
作者は全貌を把握しているつもりでも、読者目線では矛盾や抜けが生じやすいのです。
- 伏線を張ったまま未回収
- キャラクターの口調や行動が前後で食い違う
- 時系列や設定の破綻
- 出来事の順序が不自然
- 章ごとのテンポや情報量の偏り
これらは、執筆中の“思いつきの変更”や修正忘れで起きがち。AIはそうした盲点を素早く拾い上げてくれます。
AIチェックを導入する3つの利点
- 短時間で全体を俯瞰：数千字規模でも要約・整理して分析可能
- 感情に左右されない指摘：主観で見落とす部分を機械的に抽出
- テンプレ化による再利用：同じプロンプトを複数作品に適用できる
特に長編では、途中段階でチェックを挟むことで、大規模な書き直しを未然に防げます。
詩凛式・AIプロット＆構成チェックリスト
原稿やプロットを投入する前に、このリストをプロンプトに添えるだけで、指摘の精度がぐっと上がります。
1. 時系列と設定
- 時間軸は明確か
- 出来事の順序に齟齬はないか
- 世界設定・ルールは統一されているか
2. キャラクターの一貫性
- 口調・性格はぶれていないか
- 行動や選択に必然性があるか
- 主要キャラが物語で十分に機能しているか
3. 伏線と回収
- 伏線はすべて回収されているか
- 回収のタイミングは自然か
- 不要な伏線が残っていないか
4. 構成バランス
- 起承転結（三幕構成）の比率は適切か
- 展開が急すぎたり冗長すぎたりしないか
- 情報量が過不足なく配分されているか
5. 読者の理解度
- 必要情報が適切なタイミングで提示されているか
- 説明不足・過剰説明はないか
- 読者が混乱しそうな部分はないか
実践プロンプト例
以下の物語のプロットを読み、次のチェックリストに沿って問題点を指摘してください。 [チェックリストを貼り付け] 物語： --- [ここにプロットや本文を入力] ---指摘は箇条書きにし、必要に応じて改善案も依頼します。
例：「キャラAの動機が弱い → 第2章で背景説明を追加」など、修正指針が明確になります。
段階的チェックのすすめ
- 第1稿：プロット段階で大きな矛盾を潰す
- 第2稿：章ごとの構成とキャラ一貫性を確認
- 第3稿：全体通読後、テンポと情報配分を最終調整
段階ごとにAIを挟むことで、最終稿での大規模修正が減り、完成度が安定します。
AIと人間の感性を組み合わせる
AIは構造的な誤り検出が得意ですが、「面白さ」「読後感」といった情緒的評価は不得手です。
ですから、AIは安全網として使い、最終判断は必ず人間の感性で下しましょう。
まとめ
AIを使ったプロット・構成チェックは、効率と品質を同時に底上げする強力な方法です。
チェックリストをテンプレ化しておけば、どの作品にも即適用可能。
「見落としゼロ」に近づけつつ、あなたらしい物語の声を守る――その両立に、AIは必ず役立ちます。
では、ご一緒に“次の一稿”をもっと安心して仕上げてまいりましょう。
コメント