こんにちは、AI Scenario Lab 副所長の久遠詩凛です。ここでは、「攻め×受け」の魅力を最大限に引き出すための、実践的な構成テンプレートを5つご紹介します。
口調は丁寧に、でも創作の現場でそのまま使える実用性を大切にしてまとめました。あなたの作品づくりが少しでも楽に、そして楽しくなりますように。
0. BL構成づくりの基本メモ
- 関係の核:二人を結ぶ「ズレ」や「溝」をまず一つだけ明確に。
- 感情のカーブ:近づく→離れる→ぶつかる→和解の4点を必ず通過させる。
- 役割の固定と揺らぎ:攻め/受けの立ち位置は保ちつつ、弱さの見せ場では入れ替わる。
- セリフのタグ化:
[心の声]
、(ト書き)
、<触れ>
などの記法で台本を読みやすく。
1. 幼なじみリベンジ(攻め:地方から戻った幼なじみ × 受け:都会で疲れた秀才)
関係の核:昔のすれ違いと未回収の約束。
起伏カーブ:再会のぎこちなさ→小さな思い出の共有→過去への誤解が爆発→約束の更新。
キーシーン:雨宿り/鍵を貸す/卒アルをめくる。
【三段構成サンプル】 1) 再会:小さな町の駅。[心の声]「声、低くなった」 2) 衝突:受「置いていったのは、きみの方だ」攻「迎えに来た」 3) 更新:二人だけの合鍵を渡す。(ト書き) 互いの手が少しだけ震える。
NG例:過去の誤解が浅すぎて衝突が弱い。→誤解の原因を「第三者の介入」か「恐れからの沈黙」に拡張。
2. ツンデレ上司×部下(攻め:仕事至上主義の課長 × 受け:素直な新入社員)
関係の核:評価と承認の非対称性。
起伏カーブ:指南→距離感ミス→職場外の素顔→守る決断。
キーシーン:終電後のタクシー/未送信の下書きメール/ネクタイを直す。
【ビート例(8ビート)】 1導入/2任務付与/3失敗/4叱責/5本音漏れ/6支え合い/7危機(左遷・退職話)/8昇華 セリフ例:攻「俺は厳しいだけじゃない。…お前に期待してる」受「今ので十分、救われました」
3. 天才×凡人(攻め:孤高の研究者 × 受け:諦めかけた一般人)
関係の核:視座の差と学び合い。
起伏カーブ:指導→挫折→共同作業→成果の共有。
キーシーン:ホワイトボードに並ぶ式/深夜のカップ麺/初めての呼び捨て。
【短編テンプレ】 A課題提示 → B失敗(受が離れる) → C攻が追う(弱さの告白) → D再挑戦 → E小さな勝利。 攻「君の仮説、捨てないで」受「…肩、貸してくれますか」
4. 年下ワンコ×先輩(攻め:一途で積極的 × 受け:受け身ぎみな先輩)
関係の核:ペースの違いと主導権。
起伏カーブ:追う→流される→境界線の確認→等速で歩く。
キーシーン:お弁当の交換/雨の日のビニール傘/保健室の寝息。
【会話テンプレ】 受「…押しが強いね」攻「先輩が立ち止まるなら、僕は待ちます」 (ト書き) ワンコはリードを緩める。先輩の歩幅に合わせる。
5. ライバル同士の共闘(攻め:カリスマ選手 × 受け:努力型のエース)
関係の核:プライドの衝突と尊敬。
起伏カーブ:挑発→敗北→共闘の必要→背中合わせの勝利。
キーシーン:ロッカールームの沈黙/テーピングを巻く手/試合後の抱擁。
【見せ場設計】 ・光と影:スタジアムの照明下、汗の粒を描写。 ・距離の演出:最短距離は接触ではなく「同じ方向を見る」こと。 台詞例:攻「負けたくない。…でも隣はお前がいい」受「同感。最後まで並んで行こう」
実務で使えるプロンプト雛形
生成AIで叩き台をつくるときは、以下をベースにしてください。
必要に応じて「視点」「禁止表現」「尺」「トーン」などを追記します。
【作品タイプ】短編BL/20~30分読了 【関係性】(例)ツンデレ上司×新入社員 【テーマ】承認と自立 【構成】8ビート(導入/任務/失敗/叱責/本音/支援/危機/昇華) 【視点】一人称(受) 【必須小道具】ネクタイ、雨の匂い、未送信メール 【トーン】切なく温かい、比喩は控えめ 【出力形式】台本:セリフ中心。ト書きは( )、心の声は[ ]
章立てフォーマット(コピペ可)
# 第1章:出会い直し(1,200~1,800字) 目的:関係の核を提示し、二人のズレを読者に気持ちよく理解させる。 # 第2章:距離と衝突(2,000~3,000字) 目的:価値観の差で一度離す。各自の弱さを鏡のように映す。 # 第3章:手を伸ばす(2,000~3,000字) 目的:弱さの共有。援助行動。役割の揺らぎを1回入れる。 # 第4章:クライマックス(2,000~3,000字) 目的:恐れと向き合い、選び直す。誓いの言葉は短く。 # 第5章:余韻(800~1,200字) 目的:日常への回帰。新しい当たり前を一つだけ増やす。
セリフ強化の小技
- 比喩は「体感」で置き換える(例:胸が痛い → 「息が半歩遅れる」)。
- 呼称の変化をイベント化(苗字→名前→あだ名)。
- 行為の前に「確認」を挟む。合意と優しさは魅力です。
まとめ
攻めと受けの関係は、固定ではなく物語の中で少しずつ揺らぎ続ける関係です。その揺らぎが読者の心拍を上げ、余韻を生みます。ここで示した5つのパターンと各種フォーマットを起点に、あなたの物語を自由に膨らませてください。必要なら、あなたのキャラ設定に合わせたカスタム版も一緒に作成しますね。
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